谷垣研究室

次世代農業工学 / 農業生産開発系

谷垣 悠介(たにがき ゆうすけ)

谷垣 悠介(たにがき ゆうすけ)

所属:生物資源科学部 地域資源開発学科
職位:講師
学位:博士(工学)

研究テーマ

植物体内時計の簡易計測手法の開発、遺伝子発現の揺らぎがもつ生理学的意義の解明、植物の生長変化量の変動解析、農業用環境計測システムの開発、アクアポニックス

研究内容

生物の生理現象は体内時計により制御されています。これは人間や動物だけでなく、植物も同様です。私は植物が持つ体内時計を外部から調整し、生育を最適化する研究を行っています。

生物は体内時計という約24時間の周期と外環境の周期とを密接に連携させ生きています。自ら動けない植物は、体内の周期と外環境の周期がズレると生育が悪くなり収量が少なくなります。このズレを戻してやれば、生育不良も改善され、廃棄されることもなくなります。

そこで私の研究では、「植物の体内時計の解析」をメインテーマとし、体内時計を制御し生育を改善させることを目指しています。現在は、体内時計に由来する葉の動きを解析し、自動的に生育不良株を見つけるシステムの開発に取り組んでいます。

もう一つ大きな研究テーマとして、農業の収入安定化に関わる技術開発を行っています。
その現場として植物工場を使用しています。植物工場は環境を人工的に制御することから、電気代が莫大になり経営を圧迫します。そのため様々な利益拡充の研究が進められています。

私はその中で、植物工場で使用される養液タンクに着目しています。この養液タンクでは植物を正常に生育させるためにタンク内で濃度やpHなどが調整されます。従って、タンクには多量の養液が存在し続けます。
そこで、この多量に使われる養液で魚を育てるアクアポニックス (作物と魚を育てる)も行っています。これにより、作物と魚を出荷物として扱え、利益拡充が狙えます。対象魚は田舎の庄原で普通のものを育ててもおもしろくないので、ナマズとしています。このナマズの将来的に製品になることから、備北地域でのインパクトのある新たな名物の創造を狙い選びました。

このナマズの他に、植物工場の製品に付加価値を付けるために、エディブルフラワーの生産を甲村教授の研究室共同で行っています。
野菜は単体でも鮮やかな緑色をしていますが、華やかさはありません。ここにエディブルフラワーを添えることで華やかになり、葉物野菜にはない栄養素も補え、他の類似製品との差別化も行えます。

今後進めていきたい研究

生物がもつ体内時計によりリズムは、その時々の状況により複雑に制御機構を変更しています。その制御機構の仕組みを解明していきます。そして、植物の生育を制御し、新しい生産体系を構築してきます。
アクアポニックスでのナマズの養殖では、完全養殖の体制構築とナマズに適した養液の開発・処理を広島県由来のものを取り入れながら進めていきます。

地域・社会と連携して進めたい研究

江田島市・JA (R3~)

連携実績

江田島市・JA呉

研究室の様子