所属:生物資源科学部 地域資源開発学科 職位:准教授 学位:博士(農学)
ブドウの遺伝子発現解析によるアントシアニン生合成誘導機構の解明、ブドウのゲノム解析による果皮色決定に関する研究、ブドウの高品質安定生産に向けた栽培技術の改良、庄原市に適したワイン用ブドウ品種の選抜、りんごジュース残渣の活用および有用微生物の単離
ブドウの果皮が赤~紫に着色する品種では、色が品質に影響を与えます。 しかし近年、ブドウの着色期に気温が高いために、しばしば着色不良が起こり問題となっています。本研究室では、栽培技術の改良や新しい農業資材の開発などに役立てるために、着色に関する遺伝子の単離、機能の解明、その制御機構の研究を行っています。
また、ブドウは品種によって果皮色が紫色~ピンク色と様々なバリエーションを持っています。このバリエーションがどのような仕組みによって生じているのかも遺伝子レベルで明らかにしていきたいと思っています。 さらに、地域で収穫されるブドウを使ったワインの生産や未利用資源(剪定枝や未成熟果、ジュースの搾りかすなど)の活用などで、備北地域の新たな特産品の開発を行っています。ワイン生産において、良いワインは良いブドウからしか生産できないため、備北地域の気候や土壌性質に適した醸造用ブドウ品種の選抜、各品種に適した栽培方法や収穫時期の決定などについても研究しています。
【アントシアニンを蓄積する培養細胞と蓄積しない培養細胞の違いの解明】 アントシアニン生合成制御システムの解明を目指して、赤色素であるアントシアニンを蓄積するブドウ培養細胞を単離・培養条件を確立しています。これを使って、着色する培養細胞と着色しない培養細胞の遺伝的な違いや、アントシアニン誘導条件での遺伝子発現の差異を検討していきます。
【ブドウの挿し木苗の大量生産】 果樹は、挿し木法によって苗を生産しています。しかし、台木との癒合や発根が不安定なため、安定した生産が難しいです。これら問題を解決し、効率の良い生産方法を確立したいと思っています。
【果樹栽培農家】 研究のテーマは、“現場”にあると考えています。そして、研究成果は“現場”に還元することが大切です。果樹に関係する問題、要望や希望があれば、ご相談ください。
【果実酒生産の企業および将来生産を希望する方】 県立広島大学には、試験醸造免許を取得し、果実酒の生産と分析が行える設備があります。